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執筆者の写真くま ぼん

[第7回]微睡の舷窓から

 読者の皆様もわかってきたとは思うが、自分は大学時代に華国に留学していたこともあり、どうにもその頃の思い出こそが青春のようなものである。先日、仕事帰りの機内で酒を煽り微睡んでいた時に、ふと昔の記憶をまたひとつ思い出した。


 それは確か留学生活に慣れ始めたことに、ちょっとした事情で一時帰国した折の話だったように思う。自分は大学時分から大の旅行好きで、仮に一時帰国が1週間であろうが、必ずどこかに行こうとはしていたものだ。そう思っている時に、友人が一人仙台に越したというものだから、日本での気分転換がてら高幹線に飛び乗って仙台へと向かった。

 ──杜の都。それは仙台の雅称であるが、その起源は意外と浅く江戸時代の末期ごろに文献に初めて登場したのだという。当時仙台は武家屋敷による植林が盛んで、それは見事な森林の都市として有名であった。──

 もう4月に入ったというのに意外と夜は肌寒い仙台をよく覚えている。そしてちょうど一人暮らしの土台ができつつあった友人の歓待を受け、夜遅くまでたわいのない話で盛り上がった。


 翌日、ちょっとギリギリ空港に着いて、急いで食事と買い物を済ませた自分は、次なる目的地、石狩国際空港に向かう機中でしばし微睡んでいた。───


 

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