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「仁喜の後南朝」?"自称天皇"の男を詐欺容疑で逮捕

 江戸府警は1日、自称「小倉宮」を名乗る男(年齢非公表)を詐欺の容疑で逮捕したと発表した。男は「自分は南朝の末裔であり、本来の天皇である」と虚偽の主張を繰り返し、皇位奪還のための支援金名目で約300万円をだまし取った疑いが持たれている。府警は男の認否を明らかにしておらず、動機や背後関係の解明を進めている。


 発表によると、男は2024年秋頃から複数の人物に対し、「後南朝の正当な後継者」として自身をアピール。歴史的な南朝の血統を強調し、「現在の皇室は北朝の流れであり、本来の皇位は自分にある」と主張していた。被害者の1人に対し、「皇位奪還のための資金が必要」と持ちかけ、複数回にわたり現金を振り込ませたとされる。被害総額は約300万円に上るとみられる。


 小倉宮は室町時代に存在した宮家で、14世紀から15世紀初頭にかけて記録が残るが、15世紀中頃に絶家したとされている。歴史学者によると、南朝の血統を主張する団体や個人は過去にも存在したが、男の主張には史実に基づく裏付けが一切ないという。


 府警は男が同様の手口で他の被害者をだましていないか、余罪の可能性も視野に捜査を拡大。男の自宅からは、南朝関連の自作資料や偽の系図とみられる書類が押収されており、これらが詐欺に使用された可能性があるとみている。


 地元住民の間では、「小倉宮」を名乗る男の奇抜な言動が以前から話題になっていた。ある住民は「彼は地域の集まりで『天皇の血筋』だと話していたが、誰も本気にしていなかった」と証言。一方で、被害に遭った人物は「歴史に詳しそうな口ぶりに説得力があった」と語り、男の巧妙な話術にだまされた経緯を明かした。


 府警は「歴史を悪用した詐欺に注意してほしい」と呼びかけ、市民に対し、不審な投資話や寄付の求めには慎重に対応するよう注意喚起している。今後、男の身元や詐欺の手口の全容が明らかになるにつれ、事件の背景にさらなる注目が集まりそうだ。

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