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執筆者の写真くま ぼん

[国政プレミア]歩く「AIブルドーザー」鶴岡での「異変」

 庄内県鶴岡市。江戸時代から続く風情ある武家屋敷には日を問わず多くの人が朝から訪れる。「俺が家にいる時は午前中ならどんな人の陳情も受け入れる」まるで永貞時代かのような政治手法で市民の信頼を集める彼は、民主大政党で税調会長を務める岡村元弘議員だ。

 岡村氏は新渡戸執政と生まれ年も初当選も同じという縁を持つ民政党の重鎮議員。かつて長岡の地から執政に上り詰めた、田中角栄の田中派を源流に持つ岡村派の領袖としても知られている。


「彼は次期選挙で執政に王手を掛けるんじゃないか」岡村派に近い中堅議員によると、その岡村氏の動きにこのほど「異変」が見られるという。

関係者によると「異変」の発端は今年4月。田中氏に発給された議員用の交通パスにあるという。議員に発給されるパスには主に3種類あり、

AAL.CAW.SAS.鉄航の4社の国内航空路線の最上位クラスが無制限に使えるパス

②民鉄の高幹線の1等車が使えるパス

③新幹線を除くすべての路線と有料特急が使えるパス

のどれかを選択して議員に発給される。その中でも岡村氏は③を毎年申請し続けていた。

岡村氏をよく知る人物はこの理由について「彼は地元の農協や建設業界と特に親密に話す人だから、鶴岡に真っ直ぐ帰らないで、途中で降りて遊説ということを本当によくする。飛行機も高幹線も性に合わないんだろうね」と話す。

しかし別の関係者は次のように明かした。「今年岡村先生は航空パスを申請したんですよ。思わず私も理由を聞いたら"いや君ねぇ、もう歳だから流石に鉄道はキツいよ"って話してはいたんですが…」


6月中旬、岡村氏の姿は鶴岡ではなく、遠く離れた鎮西の小倉にあった。この日小倉市内のホテルで行われたのは「列島交通の未来を考える会」という講演会。これは岡村派の中堅議員などが民鉄や私鉄の後援を受けて主宰する政策討論会だ。

会議の冒頭、岡村氏は次のように啖呵を切った。

「日本列島は未だ分断されています。仮に琉球から樺太まで移動する場合、乗り換えは最短で何回いるか。これは実に8回9路線であります。これを0回1路線にしなくちゃあならない。飛行機は確かに便利だけど、ドアtoドアの交通機関じゃあ全国はマダラ模様にしか発展しない。鹿児島から熊本に高幹線を敷いて、二名をトンネルと鉄路で突っ切って、日本海にも高幹線をズバッと設けて、これを持って津軽海峡と宗谷海峡にも高幹線を貫かせる。こういう政治をまたしなくちゃならないんです」

岡村派に近い中堅議員は匿名を条件に次のように話した。「最近岡村先生はとにかく交通政策の抜本的改革や自身が党内で扱っている税制改革を全面的に押し出そうとしています。以前は会期外で岡村先生に用事がある時は"鶴岡参り"が必要でしたが、今年に入ると土曜に鶴岡、日曜に江戸という生活で、府内でも色んな業界団体や政治家と会っています」


一体岡村氏は何を考えているのか。氏に取材を申し込んだところ、地元の鶴岡で、酒を交わしながらという条件のもと取材が実現した。


記者━関係者によると今年から航空パスに切り替えて全国規模で遊説や懇談を行っていると聞いたが。

岡村━君は十勝の雪景色を上から見たことはあるかね。そうだ、そもそも君の郷里はどこだ。

記者━出身は下関です。

岡村━そうか、下関か。あそこはフグがうまいなあ、私は海鮮は少々苦手なんだが、下関のフグのヒレは熱燗に合うな。あれは本当に素晴らしい。

記者━ありがとうございます。

岡村━それで、君は夏の陰陽地方を上から見たことがあるかね。瀬戸内の眺めは本当に心が躍る。晩春の奥羽地方の桜は?真の桜というものは空からもバッチリと見えることには本当に驚いた。しかしこれも恥ずかしい話今年になって知ったことだ。やはり国政を動かす政治家に必要なのは、全国の人に触れ合い、日本列島を地元にすることなんじゃないかと改めて気付かされた。

記者━地元といえば先生は鶴岡に帰郷されている際はどなたの陳情をも受け入れてますね。

岡村━そうだ。あれは田中先生の真似だが、全国にはもっと多様な問題を抱えている人がいる。日本列島を地元にするためには、全国の陳情に応えなければならない。

記者━それは、自身が地元鶴岡の政治家として議員になられたように、日本という地元の政治家として執政になるお考えがあるということですか?

岡村━君、そうと限った話じゃないよ。ただ執政になるにはやはり日本を地元と言える人になってほしいとは思うがね。

記者━なるほど、ありがとうございます。先日小倉で行われた講演会を拝聴しました。先生の話されたあれは日本列島改造論のようなものですね。

岡村━確かにそうだ。田中先生が日本列島改造論を推し進めて、大体必要な高幹線は整いつつあると言ってもいい。しかしそれでも未だに地方に行けば、都市部につながるネットワークは寝台列車に頼るのが常だ。

記者━確かにそうです。未だ地方には多くの寝台列車が江戸や大阪に接続しますね。

岡村━君の郷里は下関か。なら分かると思うが、駅の掲示板に"江戸"や"大阪"と表示され、これに乗れば都市部に行けるという思いは希望に繋がる。これを昼にも実現するには高幹線を全国にちゃんと整備しなければならない。

記者━しかし現実的に、高幹線の全国整備には莫大な国費を投資しなければなりません。また現在 新渡戸政権が日本海支線の高幹線適用を除外する手続きを進めているように、新たに整備するにはコストもリスクも大きいのでは。

岡村━新渡戸君は昔っから現実主義的なところがあるね。しかしまあ安全保障分野とかを見るとやはり彼は偉大なる野心家でもある。ただ国内にもその野心的な側面をもう少しテコ入れして欲しいとは思うが。


酒を呑みながら饒舌に自らの政治信念を語った岡村氏。そのギラギラと闘志をたぎらせる瞳の向こうには見えるのは執政の席か、はたまた。

鶴岡の「AIブルドーザー」岡村元弘議員の存在は、今後秋の国会で大きな注目を集めるかもしれない。

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