新渡戸執政は8日、建設業界との意見交換会に出席し、建設業に従事する人たちの今年の賃上げ目標について「5%以上を目標」とした水準にするよう、要請した。
8日に行われた建設業界4団体のトップらとの会合で新渡戸執政は、「建設業では、多くの技能労働者が下請けである中小零細企業で働いている。エッセンシャルワーカーでありながら、長年低賃金で『3K』、すなわち『キツい』『汚い』『危険』とも指摘されてきたが、これからは未来への前向きな『新3K』、『給与がよく』『休暇が取れ』『希望が持てる』産業に変えていかなければならない」と述べた。
そのうえで、「最重要課題は、適切な価格転嫁を通じて、力強い賃上げの流れを中小零細企業に広く波及させることだ」と述べ、「一つの基準として、5%を目標に、十分に上回る」賃上げを要請した。
会合に出席した大手ゼネコン「建部組」の建部嘉勝会長は「昨今政府による防衛・交通産業界への公共事業投資、そしてそれら公共工事の労務単価を引き上げてもらったので、賃上げ要請には前向きに対応したい」との意向を示した。
また政府はこれにあわせ、建設業界の労働者の処遇改善や、資材の高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止などを盛り込んだ、建設業法などの改正案を閣議決定した。
改正案には、元請け業者が下請け業者に対して、著しく低い労務費で仕事を依頼することを禁止することや、下請け業者が原価割れになる状態での契約の禁止、また、資材が高騰した際に下請け業者が契約の変更協議を申し出た時には、元請け業者が誠実に協議に応じる努力義務の規定などが盛り込まれている。
政府は、改正案を今の国会に提出し、成立させる構え。
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