大平洋製鐵によると、11日の月曜日から子会社の花巻鉄鋼が管理する製鉄所での新型電気炉の試運転を開始する。この新型電気炉について同社広報は「21世紀のカーボンニュートラル社会に向けた初の取り組み。試運転を成功させて弾みをつけていきたい」とした。
今回試運転を行う電炉は鉄スクラップを主原料に使うことで、コークスと鉄鉱石による従来の製鉄に比べ、二酸化炭素排出量を半分以上減らすことができるという。またコークスについても水素由来の方式に置き換えることで更に二酸化炭素の排出量を抑える。
同社は「今後数年をかけて実証を続けていく。世界的にカーボンニュートラル、脱炭素化が進んでいく中で、このような意欲的な取り組みを業界で先駆けて行うことで差別化を図っていくことが重要だ」とした。
なお今回の方式について、スクラップは不純物を含むことから高度な鉄鋼素材が求められる自動車などには向いておらず、当分は日用品などで用いられる素材として活用していくとしている。
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