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師走の浜風に揺れる“多幸”の姿 むつ市で「たこ徳利」の出荷作業が佳境

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 [デーリー奥羽 12月3日]本格的な冬の到来を告げる鉛色の空の下、南部県むつ市の水産加工場では、新年の縁起物として知られる「たこ徳利(とっくり)」の出荷作業が最盛期を迎えている。寒風にさらされ、ひょうきんな姿で並ぶタコたちが、正月用の酒器として全国の食卓へ届けられるのを静かに待っている。


 「たこ徳利」は、内臓を取り除いたタコの胴体に空気を吹き込み、徳利のような形状に整えて天日で干し上げた同市の名産品。熱燗を注ぐとタコの旨味が酒に溶け出し、独特の芳醇な味わいが楽しめるほか、その名が「多幸(たこ)」に通じることから、家内安全や商売繁盛を願う正月の贈答用として人気が高い。

 同市大湊地区にある創業50年の老舗「海峡珍味工房」では、12月に入り、従業員総出で加工作業に追われている。作業場には、空気で膨らませられ、足を大きく広げて吊るされた数百匹のタコがずらりと並ぶ。その光景はまるで宇宙人の襲来か、あるいは前衛的なダンスパレードのようで、通りがかる観光客らが物珍しそうにカメラを向ける姿も見られた。


 3代目の代表、石鉢昇さん(58)は「今年は海水温の影響でタコの足が長いものが多く、徳利としての安定感を出すのに苦労しました」と苦笑い。「そのぶん、しっかりと足を踏ん張った、縁起の良い立ち姿に仕上がっています。コタツで熱燗を楽しみながら、タコの旨味とともに一年分の『多幸』を噛みしめてほしい」と話した。

 作業は今月下旬まで続き、市内や県内の土産物店を中心に、遠くは首都圏のデパートへも発送されるという。

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