電撃的に行われた日錦高官級協議。錦繍側は鹿児島沖で発生した不審船事件の容疑者について「我が国の治安機関が調べた限り、彼らは錦繍籍である」と認め、日本側への早期返還を要請。拉致問題への波及を懸念した政権側は事実上これに応じる形となったが、事態対応について党派を越え政界に温度差が広がっている。
「まずは拉致問題の進展が大切」としたのは社会党の野坂委員長。野坂氏は民放に出演し、今回の日本側の対応について「錦繍は我々と勝手の違う国。拉致問題がある以上、まずは"交渉のテーブルから席を立たない"という姿勢を見せていかなければならない」とし、政権側の対応を評価した。
また与党の改進党小嶋幹事長は取材に対し「改進党としては、まずは拉致被害者の生命の安全確保という点を常に強調していた。幸い不審船事件で日本側に死者は出ておらず、超法規的な対応も致し方ないという認識だ」と見解を示した。
一方で「我が国の安全保障上重大なリスクだった。必ず日本の司法で裁くべきだった」と与党の稲穂党花田公共相は会見で見解を示し「海洋国家たる我が国において、今回の不審船がどのような経緯であそこまで至れたのか、あれらは常習的なものだったのかを含めて全容解明すべきだが、政治的判断で送還してしまうと、それが難しくなる」と懸念を示した。
また野党の進歩党壱岐代表は自身のSNSで「言語道断。いかなる理由があっても北韓への政治的妥協は許してはならず、これは売国への道だ」と非常に厳しい姿勢で政権を非難した。
新渡戸執政は今回の対応について「錦繍との外交交渉、拉致問題解決に向けた筋道の中で、政権参画政党と綿密に協議をした結果と受け止めている。我々は錦繍に対し司法の透明性と情報共有を強く呼びかけた」とした。
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