開業以来赤字経営が続く日本海支線の存廃をめぐる審議が、9日に民議院の予算委員会で始まり、NR東日本の田川恒彦総裁が召集された。野党からは「日本海支線は時期尚早だった」と批判の声が出ている。
日本海支線は1980年代に北陸地方の住民の請願により建設計画が起草されたが、景気の悪化や国鉄の民営化などもあり、2017年にミニ高幹線として開業した。しかし今年提出された報告書によると「開業効果で黒字だったのはわずか2年ほどで、3年目からは赤字経営が続いている。営業係数は426ととても厳しい」としている。
予算委員会の審議では、野党日本改新党で"鉄道通"としても知られる中島浩司議員が「日本海支線はいわゆるスーパー特急としても十分機能したはずだ。当時の政権の国土強靭化計画を急ぐあまり、時期尚早な判断をしたのではないか」と厳しい指摘が飛んだ。
国会後、NRの田川総裁は「与野党の議員から貴重な意見を伺えた。我が国の高幹線事業は政府と二人三脚で実行されるものであり、存廃については国会での審議を通じて慎重に判断したい」とした。
Comments