長年秘密のヴェールに包まれていた錦繍への、新渡戸執政の電撃訪問、そして日錦首脳会談を陰から支えた立役者、龍崎敬介外務省アジア大洋州局長に今疑惑の目が向いている。首脳会談実現の一年前から「毎月100冊以上」もの本を買い漁った理由は"換金・不正会計"なのか。
同級生「本は読む方だが、読書家では」
龍崎氏を古くから知る高校の同級生は、彼の印象について「本はよく読む方だったと思うが、読書家というには」と言葉を濁す。高校時代について「常に頭が回るイメージだった。高校2年生の時には生徒会長だったし、とにかく働くという感じ」としつつ「生徒会長としての演説や文章にはよく小説の一節を引用していた。だけど日常生活で本を読んでいたイメージはない」と話す。
また龍崎氏の関係者からは「省内でもずっと忙しいお方。泊まり込みの仕事も多かったし、月に一冊も本を読む時間はないだろう」と内情を明らかにした。
「異なるジャンルだらけの本を売却」古書店が持った"疑問"
「ああ、この人?確かによく来てましたよ」と語るのは龍崎宅の近所にある大手古書店チェーン店の店員だ。店員は龍崎氏の売却する本にとある"違和感"を覚えたという。
「本を売却する方って大体ある程度ジャンルが似通っているんですよ。しかしこの人はいっつもバラバラなジャンルの本を持ち込んで、大量に売却していました。決まって月末が多かったですね。だから印象にあります」
店舗にある買取データを見せてもらうと、自己啓発本や文学小説、"ガイアオーガニック"や"モルゲンロード"と言った趣味雑誌まで多くのジャンルのものを持ち込んでいたことが分かった。
書籍購入、気になる出所は"外務省機密費"?
店舗から入手した買取データなどをもとに算出したところ、少なくとも売却分の原価だけでその費用は数百万円近くにも及ぶ。果たしてこれらはどうやって支出されたのか。とある外務省関係者は話す。
「龍崎さんが去年の春頃から忙しくなって以降、外務省機密費での決済がいきなり増えたという噂があった。誰が話したかは分からないが、もしかしたら」
これらについて外務省に対し外務省報償費(いわゆる"機密費")について質問したところ以下のような回答が寄せられた。
"本事案に係る一切について本省は回答する立場にない"
日錦会談の立役者である龍崎敬介氏。その影に見え隠れする不正会計疑惑の闇はヴェールの奥に確実に存在している。
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