大阪郡の名門浪花医科大学の医学部入試で、文部省官僚の息子が不正に合格した疑惑について、この問題の背後に今年10月ごろに行われる医学部教授選挙が密接にかかわっている可能性が高いことが本紙の調査により明らかになった。
「今の綿貫さんは武州大学からの移入教授。ずっと浪花医大でやってきた鵜飼さんたちはいい顔をしていなかった」と医学部の関係者は語る。ただ一方で「医学部の校舎改装や施設拡充などは鵜飼さんと綿貫さんのタッグがあってこそ。その資金集めにも疑惑が向くとなれば、いくらなんでも怪文書みたいな内容を鵜飼派が撒くとは考え辛い」とした。
しかし別の関係者は次のように語る。「確かに資金集めの話はあったけど、あれは綿貫さんが主導して、手柄も彼になっている。今医学部長の鵜飼さんからしたら大学に貢献している移入教授というのは悩みの種だ」。またこの関係者は「2023年には学長選挙、そして日本医師会の幹部選挙もある。学長になって幹部にもなるという鵜飼さんの目標のためには綿貫さんを追い落としたほうが絶対に良い」と明かした。
両者の確執は選挙にも大きな影響を与えている。浪花医科大学は先週、大学機関紙で第一外科の財津義三准教授が新人として立候補。一方綿貫氏も現職立候補したことを発表した。
財津氏について彼に近い人は「財津さん自身の業績も素晴らしいが、なによりお父さんは今の大阪郡医師会長で、開業医のドンみたいな人だ」とし「鵜飼さんと功丞さんは大学同期でとても仲がいい。そして開業とはいえかなり大きい医院で、医大付属にもかなり患者さんを紹介しているから学内でも顔が広い」と漏らした。
「功丞さん?彼は選挙のためなら手段は選ばないよ」と語るのは医師会の関係者。「彼は医師会長選挙の際に『医者には公職選挙法はないんや』とよく言っていたし、今回の怪文書疑惑にも絡んでいて不思議じゃないよね」。
不正入試は象牙の塔が抱える深い闇の入り口にしか過ぎないのだろうか。さらなる真相の究明が待たれる。
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