香港メディアが報じるところによると、華国の王遠平国家主席は今日午後北京の毛沢東記念堂を訪問した。清華人民共和国初代国家主席である、毛沢東氏へのあからさまな個人崇拝ともみられる今回の行動はなにを意味するのだろうか。
毛沢東記念堂は初代国家主席の毛沢東氏が死去した後に党によって造営された霊廟だ。内部にはエンバーミングされた毛沢東氏の遺体が安置されており、多くの人がいまだに訪れる。北京に留学歴のある熊井氏はここについて次のように語る。「華国の大学に入学した最初の週に、教員の引率でここを訪れました。なんというか非公式には毛沢東氏への個人崇拝は残っているんでしょうね」。
しかし毛沢東氏以降の権力者は彼への個人崇拝を控え続けた。訪問はあったが建国記念日などの国家と紐付けることで、個人への評価を避け続けた。
ところが今回、王氏はついにその暗黙の了解を破り、自ら氏の命日に訪問した。華国情勢に詳しい河北大学の西田良太教授は「今回の訪問は、毛沢東氏の個人崇拝をなし崩し的に是認し、自らの個人崇拝への道を開くものではないか」と指摘する。
「王体制にとって三期目を正当化する手段の一つは、ほかの権力者と違うところを明確に見せることにあります。毛氏の個人崇拝を肯定し、自らの個人崇拝も推し進められる可能性を残すことは体制の維持に向けた保険の一つになるでしょう」。
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