最大与党、民主大政党の税務調査会で異変が起きている。このほど民政税調は新渡戸内閣がかねてより検討を進めるよう指示していた国防増税案について「現時点では議論する段階にあるとは言えず、白紙に戻すのが妥当」とする報告をまとめた。
党税調の決める徴税方針などは国家予算にも大きな影響を与えることから、政策決定の"聖域"とされ、「日本の税制の全てを決める機関」として、一時は執政をも凌ぐ権力を有しているとさえ言われていた。
しかしながら、近年は政権との協調も多く見られていたものの、今回の報告は「高度国防体制の構築」「地域集団安全保障に貢献する日本」という新渡戸執政の方針に対して、新渡戸派との対立が深まる岡村派が政権側に牽制をした形だ。
税調関係者は今回の決定について「国防増税は国民の理解を得られると思えない。衛務省ゲートでどれだけのカネが使われていたかを解明し、その上で概算要求が見直されない限りは、本当に増税すべきかわからない」と話す。
また今回の白紙化には「岡村税調会長の意向も極めて大きい」とする向きもある。岡村派の中堅議員は「岡村さんは"地方なくして日本なし"と常に訴えている。その中で執政が地方に見向きもせず、外交・国防に傾倒し続けるようでは民政党の支持にも大きく関わってくる。今回の"白紙化"は先を急ぐような国防増税案にブレーキをかけ、今一度地方創生などの分野にも目を向けるべきだという意図がある」と明かした。
一方で政権側はこの対応に苛立ちを隠せない。政府高官は今回の税調報告について「年末の税調は各利益団体から税務についての要望などが届き、それらを精査しつつ、税制改正大綱などもまとめなければならない。そのタイミングで政争をやられては通常国会に響きかねない」と非難。一方で別の政府関係者は「執政はこのところ内政を山野辺宰相にほぼ任せており、外務省や内務省関係者との接触が明らかに増えている。恐らくCASEA対応なのだとは思うが、それにしては不透明な動きもあり、気になるところは多い。しかしこの状態が長引けば岡村派との対立を収めることも難しくなり、党運営や政権運営にも支障をきたしかねない」と不安を滲ませた。
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