「桜田組のシノギといえば裏カジノだよ、なんたって絶対摘発されないって触れ込みで金持ちからお偉方までみんな遊んでるからね」。桜田組の二次団体にいたという男はそう話すと、フィルターまで焦げたタバコは男の手から寒さ厳しい歌舞伎町に消えていった。
関東圏で最大勢力を誇る暴力団組織桜田会。近年は仮想通貨詐欺やインサイダーなどの金融犯罪が有名だが、薬物などの旧来のシノギも依然として彼らの主力だ。特に桜田会といえば闇カジノが有名。時に数十億以上は稼ぐと言われる桜田会の闇カジノについて「どんなに手を尽くしても摘発することができない」と警視庁組織犯罪対策部の刑事は語る。
そして今回筆者は桜田会の闇カジノを詳しく知る冒頭の人物との接触に成功した。
タバコを吸い終わった男は「多くの客は闇カジノに直接行くことはない。ほとんどの場合、ここ(歌舞伎町)にある雑居ビルに客を呼んで、そこから車でカジノまで連れて行く」と話す。そしてその車は窓から外は見えず、また電波妨害装置で現在位置も特定できないようになっているという。
また男は「大体は雑居ビルだが、VIP客はカジノに行く日にはホテルに泊まってもらって、そのホテルに車をつけて送迎する。誰につけられてるか分からないから自宅から送迎することだけはしない」と話した。
どうしてそこまでして場所を隠匿するのか。男は「それこそが裏カジノが摘発されない理由なんだよな」と前置きすると「裏カジノは海外の大使館の中にある。大使館は治外法権だから決して捕まることはない」と暴露した。
男は「その大使館の国は発展途上国というのもあって、以前から外交行李を使った密輸や薬物販売のルート構築などをしていた。利益の一部は大使と現地の汚職官僚の懐に入るからウィンウィンだ」と明かした。
大使館街として有名な赤坂。複数名の協力者とともに張っていると、一般車のナンバープレートのボックスワゴンが夜間に大使館に定期的に出入りしていることがわかった。出入りしていた大使館はウバンギシャリ駐日本大使館。中央アフリカに位置する発展途上国だ。
また大使館に定期的に出入りしていた自動車のナンバープレートを照会すると歌舞伎町に居を構える会社のものと判明。しかし雑居ビルに訪れるとそこに該当する会社はなかった。先般の警察関係者によるとその会社は桜田組の二次団体のフロント企業とされている会社で、同会の"アッシー"としての役割を任されているという。
ウバンギシャリ大使への突撃取材や裏カジノに出入りする大物議員Xの疑惑、摘発できないカジノ決済手段などの内実は後編へ続く。
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