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"陸奥間違い"の伝統続く、伊達家が旧旗本に"寄付"

執筆者の写真: くま ぼんくま ぼん

[北白河日報=仙台」2日、伊達家の現当主で仙台県議会議長の伊達弘宗氏が、江戸府に住む穴山徳久氏の家に訪問し、金3000万円と米俵1俵を「寄付」した。弘宗氏は本紙の取材に対して「江戸から続く奇妙な縁。こうして今年も寄付することが出来て良かった」と話した。


両者の奇妙な縁は現代も浪曲として語り継がれている。"陸奥間違い"として今も愛される演目は、借金を発端にした勘違いをモデルにしている。

石高50石の松納陸奥守に30両程度の金を無心する予定だった親書が、多くの間違いを経て62万石の松平陸奥守(伊達家)の手元に届き、その親書を読んでしまった以上は果たさねばならぬと、年3000両を伊達家が存続する限り寄付すると約束したこの話。


間違いをテーマにした人情噺として今も語られるが、史実には続きがあり、この関係は御一新以降も形を変えて続けられたという。

何より大きな変化として、この奇妙な縁が両者の絆を結んだ共に、その額の大きさも相まって、現代では3000両に準えた3000万円を、形式上は穴山家に寄付して、その後両者で慈善団体にこれを寄付している。穴山家に対する寄付としては「米俵1俵」として現代も引き継がれている。


弘宗氏はこの伝統について「穴山家の小間使いによる勘違いが、ここまでの長い縁になるとは思わなかった。伊達家にとっても厳しい時代があったが、それでも先祖が約束したこの"義理"はずっと途切れることがなかった」と話す。さらに「最近ではこの伝統が浪曲・落語好きの間でも話題だと聞く。この人情がこれからも続いて、そして両家だけではなく寄付を通じて多くの人を助ける手伝いになることを願っている」と話した。

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